03/08

ガラ紡績について

ガラ紡績は、長野県堀金村に生まれた、一時は仏門に入っていたことのある臥雲辰致(がうん・たっち)という人が開発した、日本独自の紡績機械です。臥雲辰致(がうん・たっち)は、明治六年のある日、ふとしたことから火吹竹の筒に詰めた綿を穴から引き出しながらまわすと、糸になって出てくることに気づきました。何回かの改良の末に、機械を完成したのは明治九年です。
ついで明治十年八月の第一回内国勤業博に出品して、鳳紋章を受賞しました。ガラ紡績は稼働中にガラガラと音がしたことからと、『臥雲紡器』の名称から、ガラ紡と呼ばれるようになりました。
ガラ紡機の紡錘筒(つぼ)の繊維は、糸に紡がれて、上に巻き取られていきます。つぼの回転は糸の張力とつぼと繊維の重力のバランスで適当に加減されて、糸を紡ぎ続ける仕組みになっています。この張力と重力のバランスで、天秤を調節するのが、ガラ紡機の特色です。
しかし、このガラ紡も、戦後の繊維業界の効率化の波の中で、その工場数を激減させてしまいました。現在では、豊田市及び岡崎市など、愛知県三河地方に数軒の工場のみが稼働している状況です。
ところが最近になって、均一で強い撚りの西洋紡績に駆逐されたガラ紡で織られた布が、甘撚りで糸自体デコボコがあるために吸水性・吸油性がよく、洗剤なしで食器洗いができることで注目されるようになりました。又、糸の風合いが手紡ぎに似ている為、工芸糸として、使われるようにもなりました。

社本 百合子

社本 百合子

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